アシエ・アカラシエ シンボルの内に在るもの

アシエ・アカラシエ シンボルの内に在るもの
The Spirit Within Symbols

アシエ・アカラシエ シンボルの内に在るもの

アシエ・アカラシエ

1998年生まれ、群馬県前橋市出身。
大学中退後、絵画や詩の制作を始め、前橋市での活動を広げる。ニューカレドニア、トルコ、アメリカ(アリゾナ、ホピ)等への渡航を経て自身のスタイルを確立。2020年に画業の個人事業主として開業・活動を開始する。
世界の考古学的美術やプリミティヴ・アートの持つ精神を創作のルーツとし、日々を「生活する」ことで体験される様々な精神性を、記号やシンボルに落とし込む表現を追求する。

ステートメント

アシエ・アカラシエは世界の考古学的美術、洞窟壁画や民族アートに代表されるプリミティヴ・アートの持つ精神を創作のルーツとしている。
これらのアートは人々の「生活」に密接に寄り添われたクラフトであり、衣食住といった「生存のための活動」だけでなく、人々の「心の活動」を担うものでもあった。それらは時に、とある世界に生まれて過ごしていく人々の、多岐にわたる精神性が表象されるものとなっている。

アシエはこのようなクラフトたちが、実に巧みな「シンボル化・記号化」を経て、その豊かな精神性を表すことに成功しているということに着目した
このようなシンボル化が行われる背景には、まずそれが表すべき強力な思いや概念、大切にされている神話などが常に先に存在する。それらは人々が自身の「生活」のあらゆる側面と真摯に向き合った結果、生まれたものであり、だからこそ、シンボルは生活集団の重要な儀式や、その道具の意匠に組み込まれるものとなる。
アシエはここに、人々の「生活」の心の領域__「心の活動」を促進するツールとしてのシンボルの力を見た。

一方で、現代の多くの社会において、このように培われてきた文化圏の精神性に真に触れられる機会というものは、ほとんど珍しくなった。同時に、大きな文化圏で共有されてきたシンボルの強力な意味は、今日では良くも悪くも薄れたものとなっている。
しかし、「心の活動」は人々の中で常に行われている。生きて行くうえで自らの心が時に活動し、時に癒され、平安とともにあることこそは「心の豊かさ」であり、私たちの「生活」の心の領域で求められているものだろう。
集団ではなく、より個人として「生活」に向き合う機会と必要が増えた世界においても、強力な「心の活動」は今も昔も変わらず心の充足に大きく関わっている。

アシエは現代社会を生きる者の一人として、
自身の「生活」で見出された様々な精神活動をシンボル化、作品に落とし込むことで、
人々の「心の活動」の豊かさを促進させる新たな方法を編み出すこと、また、「心そのもの」の強力な力を表象していくことを目的としている。

大きな社会に影響を受けながらも、人は一人ひとり独自の道を歩む。
彼らは心を開放することを学び、あるいは心に蓋をすることを学び、それぞれに人生経験を創造し、感応するための十人十色の方法を会得している。
このように人が人生を歩む中で、個人一人ひとりの精神世界には、独自の文化圏とも言えるようなミクロコスモス的文化圏が構築されていると捉えられるのではないか。
この「一人文化圏」とも言える個人の小宇宙と向き合い、実際の歴史ある文化圏のように成熟した表現形態とシンボル体系を構築し、その表れとしての作品を追求していくのがアシエの試みである。

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