The Quartets - 伊藤大介

久しぶりに強いコントラストの作品になりました、画面構成は至ってシンプルに分割されシンメトリーが強調されています、一見しただけでは感じられませんが殆どの色彩がジンクホワイトによってまろやかに調えられています。
両端にあるグリーンとブルーの四角は逆に原色のまま、それぞれの領域で補色の性質を持つアクセントとしての役割をこなしています。
製作過程ではこの作品から下塗り剤を胡粉入りのものに替えました、以前からマスキングテープを使うと色が滲み対策に苦慮していましたがどうやらこの下塗り剤を重ねて塗ることでほぼ解決したように思われます。
また、この作品では丸いモチーフを全く使っていないのも特徴のひとつでわたくしの作品では大変珍しい事なので次作ではこの反動で丸いカラーバランスの作品になる予感がするほどです。
この作品の制作中、コンポジションから彩色にいたる全ての段階でアトリエにベートーヴェンの弦楽四重奏が響いておりそれにちなんだタイトルをつけてみましたが何らかのインスピレーションと連結したかどうか？
正直、本人にはよくわかりません。
皆様はどのようにお感じになられるでしょうか？