Blue tonality - 伊藤大介 /* / 伊藤大介 */ ?>
使用画材 | アクリル絵の具 |
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サイズ | 300×405mm |
制作年 | 2024 |
この作品について
この作品は今までのようにあらかじめコンポジションを作ってからカンバスに描くという手法をとらずにダイレクトに描き進めました、そのため実験的要素が多いことからカンバスは小さいものとなっています。
発想は前作の創作時に得たもので、まず基調となる色彩を全面にベタ塗りしそこに長めの白のラインを数本描きスペースを区切っていきます、次に基調となっている色(この場合は青)に親和性の高い色をスペース内に埋めていきます、すると次の一手が見えてくるという基本的にはこのルーティーンを繰り返すことにより出来た作品です。
今までのわたくしのどの作品よりも白のラインが縦横に走っています、今回はあえてこのラインを多めに残しましたが加減乗除は自在にコントロール可能ですしラインそのものに彩色し変化を与えるやり方もあるでしょう。このように制作過程は以前とかなり違っていますが本質的コンセプトは色彩の調和であり何ら変化はありません、また展覧時に縦横自在なことも変わりありませんが今後の作品制作の新たな展開を予見させるきっかけとなる作品となりました。
またタイトルにあるTonalityとは和声上の調性を示す音楽用語で以前わたくしはスタンダードジャズを演奏するピアニストであったことから自然と湧いてきたフレーズだと思われます。
音楽では例えば一時転調した部分などをノントーナルと表現することがありますが、この作品に置き換えるならば大部分が青のトーナリティーで構成されピンクやクリーム等のノントーナルな部分がアクセントとして機能していると云えるかと思います。生来持っている和声上の調性感覚が二次元に移行し色彩の調和のバランス感覚として表出している、当然といえば当然ですが改めて今回の作品で妙に納得したような気が致します。
作家について
画面上にメッセージやモチーフとしての意図があるわけではなく、色彩の調和のみを追求した純粋な抽象作品を制作しています。
全てではありませんが作品によって上下または縦横を逆さまに飾っても鑑賞出来るようにデザインしてあり、観る方のお好みでより長い間楽しんで頂ける作品となっています。
制作する時は予め折り紙や色画用紙でコンポジションを組みそれを当倍でカンバスに描く手法を採っているのでどのようなサイズにも拡大や調整が可能です。