No chaser - 伊藤大介 /* / 伊藤大介 */ ?>
使用画材 | アクリル絵の具 |
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サイズ | 400×500mm |
制作年 | 2023 |
この作品について
今回お届けするのは極めてシンプルな構成の作品です。前作(No wonder)に観られた雑多なモチーフは影を潜め4つのエピソードからなる色彩のブレンドを調和共存させた作品となっています。
以前より展開している構成の作品ですがこの度は4つのエピソードを囲むようにそれぞれの色彩が支えています、涼やかな感覚が効果的に持続するように敢えて同じレモンイエローを対角線上に配置しそれをファンシーなライラックとライトブルーの外枠がマイルドに中和しているという構成です。
本質論的にはわたくしの作品の特徴である縦長横長どのように展示しても鑑賞に堪えうる様な構成は今回も健在であり観賞する方の好みにフレキシブルといえる本作は陽光を礼賛するような明るい色面を持ちながらもこれは通常は全開することなくマイルドなスクリーンがかけられているものです。
それは作家の立場では創作上の工夫であり展開ともいえるものですが正直なところでは自分を裸のまま開示する事への羞恥心というべき照れ隠しのようにも思えます、その点この作品ではかなりの部分で裸の生身を晒していると言えます、日常的に協調性が求められる実社会の現実と個性的でありたいと欲する創造的な欲求とのハレーションこそが創作意欲の源泉でありモチベーションそのものなのです、わたくしの全作品はそのバイブレーションの上に成り立っているもので本作も例外ではありません。
「芸術とは...おのれの未熟を真正面から見てそれに全責任を負うこと」だと、かの岡本太郎氏も云っておられました、モノ造りの本質を突いた至言だと感嘆しており自分の創作姿勢に照らし合わせて時より思い出しております、試しに上記の太郎氏の発言の芸術とは云々の箇所を人生とは...と置き換えてみて下さい、貴方はどのようにお感じになられるでしょうか?
尚、タイトルにあるNo chaserとは飲酒時にアルコールを中和する為の水などを飲まずエッセンスを薄めずにそのままでというニュアンスです。
作家について
画面上にメッセージやモチーフとしての意図があるわけではなく、色彩の調和のみを追求した純粋な抽象作品を制作しています。
全てではありませんが作品によって上下または縦横を逆さまに飾っても鑑賞出来るようにデザインしてあり、観る方のお好みでより長い間楽しんで頂ける作品となっています。
制作する時は予め折り紙や色画用紙でコンポジションを組みそれを当倍でカンバスに描く手法を採っているのでどのようなサイズにも拡大や調整が可能です。