Just because - 伊藤大介 /* / 伊藤大介 */ ?>
使用画材 | カンバスにアクリル絵の具 |
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サイズ | 530×455mm |
制作年 | 2023 |
この作品について
今回はわたくしの中では比較的大きなサイズの作品をお届けしたいと思います。
いわゆるF10号と呼ばれるこのカンバスは通常正方形に近いルックスを得るものですが、この作品は少し横長に見えると思います。
例によって縦でも横でもお好きなように展覧し鑑賞出来る様にデザインされています。
画面は6つにほぼ均等割りしてありそれぞれの区画にそれぞれ別のドラマが描かれています、極めてシンプルに○と◽だけで構成されていますがひとつライトブルーのモチーフだけが反楕円を形成して特徴的です。
作品を構成する時は殆どの場合次のような手順を踏んでいます。
色画用紙を使いまずは一番大きな構成部分の色を決め(この作品の場合は外枠の水色)次にそれと調和する色をひとつひとつ置いていきます、この時色面の形態はできるだけシンプルにします、わたくしの画では形態に意味は無いからです。
何枚かを置いていくと初めの水色は当然隠れてしまいますがそれで良いのです、次の色を導く為の機縁として有機的に生きているのです。
これを何度も繰り返していくと壁に当たります、つまりその先に全然進まない瞬間が訪れますが、ここが重要なポイントでそこまで組み上げた色面をいったん壊しまた初めからやり直すのです。
躊躇ってはなりません、もったいないような気がします後ろ髪を引かれる気もしますが勇気をもって壊すのです。
その後、初めからやり直した時いわゆるインスピレーションが訪れます、次々にやることがハマリ出します、これが創作の秘密なのです全然秘密になってませんが(笑)
つまり、自分のやったことを大事にしようとする精神からは何も生まれません、自分を打ち壊し何度でもやり直しどんどん更新していく、そのたくましさにこそ創造主は微笑むとピカソも言っています。
何かまとまったモノを作りたいと思った時頼りになるのはインスピレーションですがそのインスピレーションとはあくまで無根拠であり単なる思いつきと思われる類いの心理に過ぎません、しかしそこに賭けるのですその蛮勇と行動力を通ってこそ芸術は誕生してくると信じて疑いません、しかし反面何故そうしたのか?と問われても答えは…ただ何となく(just because)
作家について
画面上にメッセージやモチーフとしての意図があるわけではなく、色彩の調和のみを追求した純粋な抽象作品を制作しています。
全てではありませんが作品によって上下または縦横を逆さまに飾っても鑑賞出来るようにデザインしてあり、観る方のお好みでより長い間楽しんで頂ける作品となっています。
制作する時は予め折り紙や色画用紙でコンポジションを組みそれを当倍でカンバスに描く手法を採っているのでどのようなサイズにも拡大や調整が可能です。