How about you - 伊藤大介 /* / 伊藤大介 */ ?>
使用画材 | カンバスにアクリル絵の具 |
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サイズ | 455mm×380mm |
制作年 | 2022 |
この作品について
今回も展覧時に天地無用な作品をお届けします。
これは45.5×38cmいわゆるF8号と呼ばれる最も一般的なサイズのカンバスですが、壁に掛けたサンプル画像をご覧頂くとかなり大きく見えると思います。ひとつにはクリーム色に走る斜めの太いラインが画面を横断しておりそれがフレームの役割をしているライラックを外に押し広げる働きをしている為だと思われます。逆に内部では細かい色面がモザイク状に並んでおりミクロな絞りを促しています、この内外の両極な働きが要因となり画面に印象的なバイブレーションを与えています。
また、動の働きを示すフレーム側の形態と逆に穏やかなパステル調が奏でる静の色面が心地よく、ここでも内容と形式の間の対比が特徴となっています。
わたくしはこのような内容と形式の間の矛盾こそ芸術における最大のテーマだと考えており、明と暗、静と動、開と閉、など挙げればキリがありませんが画家の立場としては伝統と革新という両極を意識しています。
つまり、カンバスという伝統形式に則りながら内容的には形式=(主)、色彩=(従)という伝統を逆さにひっくり返した作品を創造する、これがそもそものコンセプトですが予め考えられたそれにさえも即興的に創造力をぶつけていく、出来あがった作品を好きなように飾って頂く、これらはみな作品の持つ保守的な安心感とは逆の性質のものです。
内容と諸形式の間にズレがあること、これこそ現代に生きる我々が直面する現実であり、それを余白そのまま画面上に反映させたい、つまり先鋭的なコンセプトと穏やかな雰囲気とのズレ、保守的な色面と革新的内容とのズレ、子供っぽい印象の画面と内面の論理性とのズレ、これらの矛盾した要素を組み合わせることで安定した創造性を保ちながら自分自身も更新していきたい、そんな思いで日々の創作活動を続けています。
あなた自身はどのようにお感じになられるでしょうか…How about you .
作家について
画面上にメッセージやモチーフとしての意図があるわけではなく、色彩の調和のみを追求した純粋な抽象作品を制作しています。
全てではありませんが作品によって上下または縦横を逆さまに飾っても鑑賞出来るようにデザインしてあり、観る方のお好みでより長い間楽しんで頂ける作品となっています。
制作する時は予め折り紙や色画用紙でコンポジションを組みそれを当倍でカンバスに描く手法を採っているのでどのようなサイズにも拡大や調整が可能です。