花菱 - 平塚　加代子

水面を覗いたらちょっとした世界があった。ひし形の葉が埋め尽くしている世界。それは正確な形態を刻んでいた。日の当たる水面は空を映す。日陰の水面は葉が作る影をより濃く見せ、水に埋没する葉の色を少しだけ深く感じさせていた。葉は光沢があり、きれいな放射線上に従って広がっている。その均整の取れた配列。その配列から少し外れている葉が伸びやか。1枚1枚微妙に淡く変化していて色が美しい。その美しさを描きとめておきたかった。〈この作品は、外枠にはバーチ材を使用しているので、額装なしでもそのまま美しく飾ることが出来ます。反りや湿度に強い強固なMDF板に描かれています。〉