いたずらな鳥

2021年、「鳥」をテーマに制作した作品の一つです。
何か話したそうな、可笑しさがある不恰好なフォルムの鳥。羽の模様にテキスタイルを思わせる独特な色とデザインをしました。

構図は、デザインが決まったら 全体の輪郭をキャンバス地にチャコペン(後で消えるペンを使用)で大まかに描き、アウトラインを使いたい色の刺繍糸でテントステッチで刺し進め、後から細部をデザインを決めながら刺し込んでいきました。

羽根の部分は、好きな色の組み合わせで多色刺しをし、体の部分は柔らかなベージュ〜ピンクの淡いトーンで構成しました。
作品のポイントは羽根の部分のデザインですが、足の付け位置もこだわりました。どこか不思議な不恰好な鳥にしたかったからです。

私は図案を考える上で、いつも「バランスとアンバランスさ」を考えます。アンバランスの匙加減により、バランスよく見える、ということを考えながら制作しているように思います。

誰かに作品を見てもらう時、私はどちらかというと糸粒の緻密さより デザイン性や手刺繍の糸粒のニュアンス、テキスタイル感を感じて温かい気持ちになってほしいと願っています。
私自身気持ちが和むような、くすっと笑ってしまうような鳥といつも出会いたいと思っています。